銀座タクシー運転手『外国人客はハズレですね』
先日、銀座からタクシーに乗ったときの話。
タクシー運転手の本音から、
『銀座の深夜のタクシールールと観光業のミスマッチ』を感じたので、ブログにしたためたい。
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夜、私がタクシー乗り場から乗り込み、行き先を告げたとたん、運転手が不機嫌になった。
その後少し事務的な話をする必要があったため、会話を進めていくと、
この、悪い意味で非常に正直な運転手から、本音がでてくるでてくる。
運転手の言い分は下記に箇条書きするが
結論から言うと、
『客待ちで一時間半も費やしたのに、近くまでしか乗らないハズレ客(=私。1500円の距離を移動)を捕まえてしまったから、不機嫌である』
以下、運転手語録
■銀座タクシー界の前提
・夜に銀座から乗るお客さんの客単価は約5000円。タクシー業界の常識。
・給料は歩合で、運賃の六割が手元に入る。
・短い時間で距離(運賃)が稼げる、高速道路を使う客が特に上客。
・銀座のルールで夜10時以降、流しのタクシーは禁止。
・銀座で客を乗せるためには指定の乗り場に続くタクシー列に並ばなくてはならない。最後尾から先頭まで約1時間半。
・それでも客単価がいい可能性が高いので、みんな一時間半も待つ。
■このタクシー運転手の本音
・ゆえに、近くまでしか乗らない客だとガッカリする。
・最近チョイ乗り(初乗410円)が始まったが微妙。ハズレ客を増やすだけ。
・外国人客は近くのホテルしか行かない可能性が高く、ハズレ客である。
・ゆえに、外国語を勉強するモチベーションは持てない。
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行政は
外国人客が気軽に乗れるように、チョイ乗りの政策を進めたのに
彼らがチョイ乗りすればするほど
タクシー運転手は
ガッカリし
外国人客は
ぞんざいな扱いを受ける可能性が高まるのです。
わたしのように、
日本語ネイティブで、銀座の客単価が高い意味が理解でき、客単価の低い自分にやや負い目を感じる日本人でさえ、
不機嫌なタクシーに乗るのは悲しい体験だったのに
外国人観光客の皆さんが
日本語もわからず、タクチケがきられまくる夜の銀座の雰囲気も知らず、ただただホテルに安心に帰りたい気持ちの中、
不機嫌なタクシー運転手と接するかもしれないのは、
お、も、て、な、し、
なのか??
それでよいのか? と。
感じた次第です。
これは、タクシー運転手が悪いわけでもなく(ちょっと悪いけど)
どちらかと言えば制度の問題である気がします。
客単価問題は解消むずかしくとも、
せめて異文化理解が進むよう、
客待ち時間に語学勉強して資格取ったら基礎給料あげるとか
本気で観光客のために、タクシーどうにかしたかったら
何かしら工夫が必要なんじゃないかと。
今日も人知れず、どこかで外国人観光客が
日本のタクシーにガッカリしたまま
声なく、帰国しているかもしれない。